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「真面目に楽しくカットする」これも「おくりがみ」の基本精神の一つなんです。
真面目に楽しくカットする?それってどういうこと?となってしまいそうな、キャッチ精神ですね。
それでも、おくりがみにとっては大切な精神なんです。
お客様のカットをするときって、なんだかわくわくしてまだ見ぬお客様の未来の美しいヘアスタイルを予感してしまいます。
こんなときは、そうですね。
それからお客様が長年抱えていた髪や外見的なコンプレックスが少しでも解消されたと感じる時に私たちは幸せを感じています。
お客様の喜びがダイレクトに伝わってきます。
これは美容師冥利に尽きると言うことでしょうか。
世の中には実に多様で様々なお仕事というものが存在しますが、これほどまでにダイレクトに直接的にお客様の容姿に関する悩みや、悲しみ、苦しみを感じる職業は少ないと思っています。
ですからその問題を自分自身のことのように感じる能力はとても大事です。
ヒアリングやカウンセリングとも言われていますが、この最初の出発点を私たちはとても重要だと考えています。
目の前のお客様に、似合うヘアスタイルが瞬時に分かった時でしょうか。
基本的にお客様とカウンセリングを行った段階で、その人にしか似合わない、その人の良いほうの”らしさ”を誇張したような髪型が浮かんできます。
もしくは、理論的な似合わせも加えてお客様のコンプレックス改善も含めた似合わせの展開も加えていきまね。
これは、ちょうど料理をしているときに、良い加減の味を見つける感覚にも似ているかもしれませんね。
少しづつ、必要であろう調味料を加えていくような・・・。
ここまでで、なんだか「真面目に楽しくカットする」の5分の1くらいは伝わっていてほしいと願っています。
楽しみながらも真面目過ぎるような・・・、でもなんだか楽しいね。
という世界観です。
だいたいカウンセリングを終え、お客様に似合う髪型のイメージもできて、ここまでくると後はカットしていくのみです。
おくりがみのカットは、髪の毛を傷つけないように行っていきます。
これは正しいシザー(はさみ)の使い方を知っているからこそ出来るサービスオプションのような、おくりがみならではの髪の毛に対する心遣いの部分にもなりえることだと自負しています。
たとえばカットの技法は様々ありますが、スライドカットという切り方やカミソリまたはレザーを用いて髪の表面を滑らせながらカットしていく方法があります。
この技法は特に珍しいものではなく、無意識に多くの美容師が用いているカット技法です。
スライドカットという、この技法は髪の表面を必要以上に傷つけているのです。
髪の毛の対して直角にハサミを入れてカットすれば、髪の毛の断面は円形に近く、最少限度の切り口で済みますが、ハサミを滑らせてしまうと、大きく縦長の断面ができてしまいます。
それだけシャンプーのたびに切り口から髪内部のタンパク質が流出し、乾燥質な髪質に変化します。
変化というより大きく劣化していきます。
カミソリやレザーも同じ現象が起きてしまいます。
カットは本来傷んだ髪を切り落とすことが目的の一つですが、カット技法の選択によって、ダメージをさらに拡大することにもなり得るのです。
その知識も、その昔、偉人に教わったことなのですが尊敬した人の知識はいつまで経っても残っていて、大切な時に出てくる知識として、おくりがみの中に堂々と存在しています。
髪の毛を傷つけないように、シザー(はさみ)を動かしながら、お客様を輝かせるイメージを頭の中に残しつつ、更には鏡の中のお客様と心の対話が、カットの内容の一つとしておまけで付いてきます。
こんなに複雑だと思える想いを抱えながら行っていくカットを「真面目に楽しくカットする」とおくりがみは感じています。